一般的に四輪アライメントってさ
タイヤが偏摩耗をしたり、事故修理後であったり、サスペンション系の分解整備後にタイヤの整列を各メーカーが唱える基準値へ整えて行く作業が主たる業務内容の筈なんだけれども・・・
全ての走行操作性に対し原因が不明なトラブルが改善する事なく、最後に頼られるのも『四輪アライメント』って名の魔法の言葉だったりするんよ
それらは、ステアリングからタイヤまでの伝達機構、各々のタイヤの転がり方やより精度を上げたタイヤの整列など、あらゆる知識を駆使して改善へと導かないとお金が貰えないシステムな仕事までが含まれてしまっているっす><
そんな訳で今日のアライメントの題材は、小泉商会さんから承った
新品に蘇らせた操縦装置であったり緩衝装置で組み上げられ当時の新車として蘇った、トヨタのAE86のカローラレビン・3ドア・GT APEXさんで走行操作性が不安定なのを何とかするお仕事
ノンパワステの時代から、クランクシャフトから爆発力を得てアシストするパワーステアリングへと切り替わった時代の産物でさ
フロントキャスター角は、ノンパワステは3度弱、パワステで4度弱と後輪駆動車としての理論的数値が完成したであろう7度には程遠い、早熟なサスペンションであって、ボディー側のフロントアッパーマウントの種別で2種類のキャスター角を生み出して操作性を凌いでいたであろう車両がベース^^
フレームの寸法が完璧であって、サスペンションアーム類を含むすべてが正しい状態だもの、アライメント上の数値から走行性に操作性が悪い主たる原因を妄想すると!?
2種類ある「ハイキャスター用」「ローキャスター用」のアッパーマウントの内、パワステにふさわしいハイキャスター用でない場合が考えられ、それらの左右を入れ替えて改善率を上げられるつもりだったのが、既に「ハイキャスター用」が装着されていた事により目論見が消えさりw
AE86に於いて標準車を見る機会もほぼほぼ無くなり、サーキット走行を愉しむ車両に装着された車高調の9割がローキャスター用のピロアッパーマウントが装着されているが故に!?
純正のアッパーマウントもローキャスター用の可能性が高いと考えていた当てが外れて改善率が確実に落ちた所からの作業スタート><
試乗のイメージは、後輪駆動車であってパワステ初期モデルなキャスター角での操作性は、その時代にあったであろう水準であるものの操作に対する走行再現が遅れるって感じであり、この手のレベルで普通に乗ってらっしゃる人が殆どなかな
しかし、車好きに取って見れば乗って気に入らないし、許せる筈もなく更なる高みを目指すってパターン!
パワステが成熟し理想のキャスター角が理論的に生み出された直進安定からの操舵感に慣れ親しみ、今や電動パワステが当たり前のフィーリングや高速化が進んだ現代車から比べると明らかに劣るって感じなのをアレンジして辻褄を合わせて行くのだけれども・・・・
すなわち、直進安定を良くして、少ないキャスター角から得るセルフステアも悪化させず、時速100km/hでのレーンチャンジに恐怖感が無く安定して行える改善を、このアライメントの測定数値的に何も悪くないであろう状態から与えられれば、オーナーが笑顔になり小泉商会さんの株が上がるっちゅーこっちゃ^^
例えば、メルセデスベンツのクランクシャフトに助けられるパワーステアリング時代はさ
後輪駆動車のキャスター角は10度、そしてサイドスリップテスターでみるタイヤの転がりに対する横滑り量は1m進む間にIN側の10mmくらいなのよ
そんなありえないであろうタイヤの整列状態で圧倒的な操作性を生み出しているのが、ステアリングを重くしセルフステアを捨てて強制的に車を直進させるって手法であって、ラック&ピニオン式パワーステアリング内部のピニオンギアに対しラックが押し付けられているスプリングの圧力を上げているからだったりするっす!
また、それらの圧力を変更が可能な様に工具が入りアジャスト出来る構造になっているってのを、このAE86にも応用して行けば改善に繋がる可能性があるって発想が生まれるしさ
このAE86のラック&ピニオン式パワーステアリングは、それがリペアされた状態で装着されている現車!
ピニオンギアとラックを押し付けているスプリングのレートは、ノンパワステであったりパワステや電動パワステで仕様がどの様に分けられているのかも知らないが、リペアはどの時代のどの構成での組み付け要領になのかってのも疑問だし、スプリングレートの個体差も考えられれば、リペア品は何かしらの基本には沿っているが現状の個体に適したギアの噛み合い力を模索する作業が必要であるのと同時に・・・
セルフステアを損なわせない様に少しフロントキャスター角を寝かせるのも大事でさ
それらはノーマル車だからこそタイヤとホイールハウスとの立ち位置に違和感が出ない範囲の現状から5mm程度に抑えつつ、左肩下がりの道路に対し直進させる為の最低限な左右差を設けるのを忘れない
ピニオンギアの圧力の微調整はステアリング操作とタイヤ間のダイレクト感も向上させる範囲の模索を繰り返す
最期の仕上げはタイヤの転がりに対する横滑り量を減らす側にセットして余計な負荷や味付けはしないってのを心掛けての作業で完成に至らせたって塩梅っす^^
誰もが行わないであろうステアリングに対するギアの件に対し強調した記事となりましたが、10万キロ走行などでピニオンやラックのギアが摩耗が進んでいたり、内部スプリンクのヘタリもあれば、ピニオンギアシャフトのネジ山の精度であったり歪にギアの昇りと下りでのフリクションの差であったり、ギア同士の圧力変化を均一にする為にバネによる圧力が採用されているにも関わらず!?
現状の個体に合わせたステアリングの調整は、入庫する車両の大凡2割弱くらいが、その圧力調整に必要を感じるレベルだったりするのがアライメント作業の現場だったりするっすよ^^